社長室通信 第126号 『「情」をつないでいく』

高校3年生のある日、

学校が終わって帰宅すると、

テーブルに置手紙がありました。


「父の容態が急変したから、すぐ病院に行くように」

とのことでした。

 

病院は遠方だったので

いつもは高速バスで行っていましたが、

その日は夜8時すぎだったため

最終便が出てしまっていました。


携帯電話もインターネットもない時代で、

どうしたらいいかわからず、

とりあえず近くに待機していたタクシーに乗りました。

 

「志免町の亀山栄光病院までお願いします」

と運転手さんに伝えましたが、

50km以上離れた病院なのでわかるはずもなく、

もちろんナビもありません。


「なんでこんな時間から

 そんな遠くの病院に行くんね?」

と聞かれたので事情を伝えると、

「わかった!」とだけ答えて、

無線で場所を確認しながら

高速道路を走ってくれました。

 

1時間後、

病院に着いたので料金を支払おうとしましたが、

財布には5千円しかありません。


「病室に母がいるので、ちょっと待っててください」

と伝えると、

「そんなこといいから、

 早くお父さんの所へ行きなさい!」

と送り出してくれました。

 

お陰で父の最期に立ち会うことができました。

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今年は帰省した息子と一緒にお墓参りしました。



そして、このタクシーの運転手さんとの出来事を

私はすっかり忘れてしまっていました。




それから30年経ち、

40代になった私は素心学塾で

「情」について学びました。


黒崎駅で無賃乗車をした老人を、

若い駅員が馬乗りになって押さえつけていたので、

「そこまですることはないでしょう」と声をかけ、

代わりに運賃を支払ってあげた

というエピソードでした。

 

この講義を聴いて、

私も30年前にタクシーの運転手さんから、

「情」のある対応をしてもらっていたことを

思い出しました。


料金が足りなかったので、

会社の人に怒られたかもしれません。


それでもその運転手さんは、

高校生だった私を

親の最期に立ち会わせてあげたいと思って

「情」をかけてくれたのだと思います。

 



目のまえに困っている人がいたら、

なんらかの力になりたい。


そのような人としてのあたりまえの気持ち、

つまり「情」をなくさないことが

「正義」なのではないでしょうか。


         素心学塾 池田繁美塾長

 



今は失敗した人を

正論で追い詰めていく世のなかになっています。


まわりに迷惑をかけるようなことはいけませんが、

弱い立場にある人の失敗は、

あたたかい心で支えてあげる寛容さも

大切だと思います。

 

私の座右の銘は、

「自分に強く、人にやさしく」です。


まわりの人にあたたかい心で接していくことで、

タクシー運転手さんから受けた「情」を

次の世代につないでいきたいと思います。










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